診療内容
頸肩腕障害、腰痛、膝痛
私の専門は、産業保健であり、企業の産業医を30年以上にわたって務めています。友和クリニックでは職業病の専門外来を設けています。いつでも相談下さい。
新経絡治療は、痛みの治療が得意であり、仕事や日常的によく見られる痛みを伴うこれらの疾患には、極めて有効です。
頸肩腕、腰やひざに負担がかかると筋肉の疲労を起こし、徐々に乳酸などの疲労物質が蓄積してきます。これが慢性化すると強い痛みが生じます。そして、痛みが長く(多くは3か月以上)続くと、痛みが脊髄に記憶され、難治になります。痛みが記憶されるまえに、できるだけ早期に治療をされることをお勧めします。
頸肩腕障害
頸肩腕障害(けいけんわんしょうがい)とはパソコン作業などで長時間、上肢を上げて保持・反復使用する作業で起こる疲労性の頸肩腕の痛み、しびれ、冷えなどの症状を来す障害です。進行すると上肢の痛みの為に作業が困難になります。
パソコン以外でも、電話交換作業、スーパーのレジ作業、保育作業、給食調理作業、電気製品の組立作業、手話通訳作業などで発症例があります。
奈良時代 | 僧侶が頸肩腕障害を発症 |
~1955年 | 電信手、タイピスト、速記手、筆耕手 手指痙攣や書痙(労働基準規則35条・業務上疾病) 農夫の腱鞘炎(こう手) |
1957年 | 電電公社のキーパンチャー病 |
1962年 | キーパンチャーの自殺 |
1964年 | キーパンチャーの作業管理の労働省通達 1日300分以内 1連続作業60分 途中10分~15分の休憩 1日4万タッチ以内 電話交換手の斜角筋症候群(広島基町電報電話局) |
1968年~ | 紡績工場の糸巻き作業 電気製品の組み立て作業 紙巻たばこ作業の頸肩腕障害 |
1973年 | スーパーのレジの頸肩腕障害(労働省の予防通達) |
1975年 | 保育士・障害児介護の頸肩腕障害・腰痛 |
1977年 | 郵便区分作業の頸肩腕障害 |
1979年 | 給食調理員の頸肩腕障害 |
1984年 | VDT作業のガイドライン(労働省) |
1990年 | 手話通訳の頸肩腕障害(全国実態調査) |
表1-1は、頸肩腕障害の簡単な歴史を示したものです。この病気は古くて新しい病気です。この病気の我が国で最も古い記録は、710年の奈良時代に、写経生や僧侶での発症例です。当時は刷技術がなく、仏教の普及のために、大量の仏典を複写する必要があり、写経生という写経を職業とする人もいました。また、経典を書き写すことが修行のひとつとして盛んに行われました。
写経は、図1-4、1-5に示すように、動かずにじっと座って、前かがみで長時間書き続けます。写経生では、1日7時間にも及ぶ場合があります。この前かがみで手だけ動かす作業姿勢が頸肩、腕の筋肉を緊張させて、血流を悪化させ筋疲労を引き起こし、頸肩腕障害の要因になります。
現在では、パソコンの普及もあり、長時間文字を書くことは少なくなりましたが、長時間文字を書く場合は、頭の前傾の少ない良い姿勢で、筆記具を軽く握って、指先で書くのではなく、腕全体を動かし、肘で書くようにすると頸肩腕の負担が軽減できます。また、途中で立って歩くことや頸肩の体操などをすることが頸肩腕の血流をあげて疲れをためないコツです。
その後の職種としては、電信手、タイピスト、速記手、筆耕手の手指痙攣や書痙(字を書き続けている人に起こる神経症状)が業務上の疾病として記載されています。電信手は、モールス信号で電報などを打つ作業者のことです。筆耕手は、結婚式の名札や賞状などを毛筆で書くことを職業とする人です。農家の人の草むしりなどで起こる腱鞘炎を「こう手」と呼んでいました。
コンピュータ時代
1957年には、電電公社(現NTT)でキーパンチャーに頸肩腕障害の発症がありました。電電公社は、銀行、証券会社と並び、コンピュータを早く導入した企業でした。
当時のコンピュータは、パンチカードという穴の開いたカードを機械に入れ、その穴を読み取ってデータを入力し計算していました。キーパンチャーの仕事は、穿孔機のキーを押して、カードに穴をあける作業でした。毎秒3~4回のキータッチが必要で、1日数万~10万タッチも重いキーを打っていました。
キーパンチャーやタイピストは当時の花形の職種で、多くの若い女性が憧れて就職しました。この華やかな職種で、頸肩腕障害が発症したのです。
当時の医師は、キーを叩くという軽作業で重度の頸肩腕障害が起こったことに驚きました。そして、一部の研究者は、頸肩腕障害の研究を開始しました。私が1970年代に日新製鋼の産業医をしていた頃にも、20人以上のキーパンチャーが仕事をしており、頸肩腕障害の健診をしていました。
その後、1962年にN証券会社のキーパンチャーの発症が社会面を飾ることになり、職業病として社会的な注目を集めました。
キーパンチャーの作業管理基準
この事件を契機に、1964年にキーパンチャーの作業管理の労働省通達が発出されました。それまでは、8時間作業が普通でしたが、これに対して頸肩腕障害を予防するためには、キーパンチ作業は、1日300分以内即ち、1日5時間作業に制限し、1連続作業60分、途中10分~15分の休憩、1日4万タッチ以内にすることが通達されました。
これは、初めて1日の作業時間の規制や一連続作業の規制が実施された画期的な通達でした。これがモデルとなり、後にレジや手話の作業時間規制が実現されました。
その後は、電気製品の組み立て作業や、紙巻タバコなどの製造業でも頸肩腕障害の発症がありました。この頃は、コンベアによる流れ作業が多く普及しており、作業の密度が高くなったことが発症の原因でした。
1973年には、友和クリニックの設立のきっかけとなったスーパーのレジ作業での頸肩腕障害の予防通達が発出されました。
その後は、それまでの事務作業に留まらず、保育士、給食調理員へと障害が拡大していきました。これらの職種では、いずれも腰痛を合併していました。
1984年には、CRT(ブラウン管を使用したコンピュータ用の画面表示装置)の表示画面を持ったパソコン作業であるVDT作業(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナルの略で視覚的表示画面端末機の意味)での頸肩腕障害と眼精疲労が大きな問題となり、ガイドラインが発出されました。
そして、1990年には、手話通訳の頸肩腕障害が取り上げられました。
表1-2は、海外で、頸肩腕障害について記載された事例です。イタリアの医師B・ラマッツィーニの「働く人々の病気」に記載された会計事務員の頸肩腕障害の原因(200年前)が記載されています。これを見ると、「①作業中にじっと座った姿勢をとり適度な運動ができないこと、②記帳のために、いつでも手を同じように動かしてていること、③誤りをしないための心労」を挙げています。200年前の記載ですが、頸肩腕障害の原因をよく捉えています。
原因 | 症状 |
---|---|
①絶えず座っていること | 給料をもらって1日中働かなければならないから、意思はあっても運動する時間はなく、適度な運動から得られる利点に欠けている。 内臓の障害、胃の消化不良、足のしびれ、血液循環の障害。 |
➁いつでも手を同じように動かしていること | 常にペンを紙の上に走らせる必要があるから、筋肉と腱はほとんどいつも硬直性の緊張をしていて、時間がたつとともに右手は弱くなり、手と腕全体に軽くない疲労が生じる。右手全部の麻痺例あり。 |
②記帳に誤りがないよう、計算で主人に損をさせないようにする心労 | 脳、神経線維全体をこの上なく緊張させていなければならないから、これらの作業者を最も強く苦しめるものは、心の大きな絶え間ない緊張である。頭痛、鼻かぜ、かれ声、目の充血が起こる。 |
頸肩腕障害の治療例
手話通訳で発症した1人の頸肩腕障害の新経絡治療の事例を紹介します。新経絡治療が、慢性、重症の頸肩腕障害の治療に有効なことを示しています。
- A.主訴
- 頸、肩、腕の痛み、しびれ
- B.概要
- 11年間、週30時間の手話通訳に従事し、頸、肩、腕の痛み、しびれ、手の振え、不眠、家事困難など重度の頸肩腕障害にり患した症例です。発症後、既に11年間を経過しており、慢性・重症化しています。一般に頸肩腕障害が慢性・重症化(日本産業衛生学会 頸肩腕障害重症度IV度以上)すると難治になります。この症例もIV度で難治の状態と診断されます。
- C.現病歴
- 通訳に就業後、1日で最高7~8時間の通訳をする。来所者が多い日は、8名くらいの通訳をする。昼休みも取れない程、多忙。その後、頸肩腕の痛み、手の振えを自覚。その後、家事も困難になり、痛みのため睡眠障害も起こるが、使命感から休まず頑張る。
当時の調査で、彼女は、1日平均3.7人の通訳をしていた。(全国手話通訳問題研究会では、1日2件の通訳の基準を提案。)
近所の接骨院で治療。通訳の仕事の量を減らすように指示されたが仕事を休まず続ける。
手話通訳健診にて、頸肩腕障害IV度と診断され、休業加療・労災申請を行い、その後、労災認定されています。 - D.治療経過
- 健診により頚腕のほぼ全域―項筋(後頚部)、僧帽筋(肩)、棘上筋、肩甲挙筋(肩甲部)、前斜角筋(前頸部)に痛み、重み、しびれがあり、これらの症状に対して新経絡治療を行う。遠隔地のため休業をして、週1回の治療を計4回行い、頸肩腕の痛み・重さ・不眠が取れ、1ケ月後には、家事もある程度可能になる。3ケ月休業治療(計12回の新経絡治療)を行い、症状が改善したため復職。手話のコーディネーターとして1日勤務している。月に1回の経過観察で経過良好。
- E.まとめ
- このように、従来は、治療に1年以上を要し、後遺症も残る症例に対して新経絡治療は、著効を認めます。我々の症例でも著効率は、慢性・重症例の8割~9割に及んでおり、頸肩腕障害の中心的な治療として有効であると考えます。
パソコンの予防対策
図1-7は、我々が開発したアームレストを使用したパソコン作業対策を示しています。背中を縦長の背もたれにしっかり預け、頭の前傾をなくし、腕を宙に浮かせず、前腕をアームレストに載せて、パソコン画面から目を離した良好な作業姿勢を示しています。
アームレストは、アームは腕、レストは休めるという意味で、腕を休めながら作業をする手置き台という意味です。アームレストは、マジックテープで机に留めて位置を調整でき、キーボードを載せて使用します。そして、マウスが右の広い盤面で使えるようにしてあります。このアームレストは、外付け式で机から左右の手置き部が張り出しています。お腹の部分が凹んでおり、お腹が机に近づけるように作成してあります。この張り出しが大変重要です。この形状がパソコン作業の頸肩腕部の負担を減らします。
腰痛
腰痛は、風邪についで最もありふれた病気であり、成人の約80%が一生のうちで一度腰痛を経験すると言われています。腰痛の主な原因は、筋肉性腰痛、椎間板ヘルニアです。
図1-8は、脊椎を横から見た図です。腰は、椎骨という小さな握りこぶしのような骨が5つ並んだ構造をしています。椎骨と椎骨の間には、椎間板というクッションの役割をする軟骨があります。腰椎は、生理的前わんといって、前方へ曲がっています。この曲がりが、体重などの衝撃を和らげる働きをします。
図1-9は、腰の椎間板と神経根の構造を示したものです。椎間板は、クッションの役割をするもので、あんころ餅のように、餡に相当する「髄核」と言うゼリーの周りを皮に相当する「線維輪」が取り囲んだ構造になっています。椎間板には、血管がなく、これを取り囲む脊髄液から栄養を受けています。そのため、仕事中に姿勢が変換され、それにより椎間板が収縮・弛緩を繰り返すことによって、海綿のように脊髄液が椎間板に浸透し栄養が吸収されます。
重量物扱いの腰痛
重量物の持ち上げや運搬は、腰痛の大きな原因であるあることはよく知られています。それでは、どのくらいの重量が腰痛の原因になるでしょうか?図1-10は、我が国の重量物の取り扱いの基準を示しています。その人の体重を基準にして、男性の場合、体重のおよそ40%を基準にします。すなわち、60kgの体重の人では、24kg以下に規制する必要があります。女性は、男性の約6割を目安にします。50kgの女性であれば、12kg以下の重量物に規制することが望ましい。
不良姿勢の腰痛
図1-11は、腰椎の3番と4番の間の椎間板に針を差し込んで、椎間板の内圧を測定し、腰椎に対する負荷の指標にしたものです。立位を基準(100%)にして、他の4つの姿勢の腰部負担を数字で表しています。
これをみると5つの姿勢の腰の負担は、臥位 < 立位 < 座位 < 前屈 の順に大きくなります。立位は、腰椎に対する負担が少ない姿勢です。さらに、歩行姿勢がより望ましいです。
特に前屈姿勢は、立位の2~3倍の大きな負担がかかります。これは、重いものを持たなくても自分の上半身の体重を支えるために腰に負担がかかります。このため、前屈姿勢は、重量物と並んで筋疲労性の腰痛(筋肉性腰痛)の原因になります。
そのため、前屈姿勢は、作業面の高さを改善して避ける必要があります。
長時間座作業の腰痛
次に、長時間座作業の腰痛についてお話します。近年は、パソコン作業が普及し、1日中座って長時間パソコン作業をする人が増えています。そのため、長時間座作業の腰痛が増えています。
図1-12は、厚生労働省が調査した1日の平均パソコン作業時間別の腰の疲れ・痛みなどの訴え率を示したものです。
これを見ると、パソコン作業の時間が多くなるほど腰の疲れ、痛みの訴えが増加しているのが分かります。このように長時間座作業は、腰痛の原因になります。
長時間の坐位が腰痛を引き起こす仕組みは、図1-13に示すように、
1)坐位により骨盤が後傾して、腰椎の生理的前湾が消失し、これを修正するために腰の筋肉が緊張して筋肉性腰痛を引き起こします。
2)生理的前湾消失のため、椎間板の前方に強い圧力がかかり、パスカルの原理による閉鎖された空間の一部にかかった圧力は椎間板全体の圧力を高める作用をして、椎間板全体が圧縮され、栄養を補給する脊髄液の出入りが低下して栄養不良により、線維輪の再生が阻害され、椎間板の劣化が進みます。
図1-15は、固定坐位姿勢が腰痛の原因になる仕組みについて示したものです。どのような良好な姿勢においても、運動のない固定した姿勢は、栄養を供給する脊髄液の供給が減少して、椎間板の劣化を引き起こします。そして、劣化により、椎間板が弱化し、わずかな衝撃により、椎間板の線維輪が損壊して、髄核が飛び出し、腰椎ヘルニアを引き起こします。
椎間板ヘルニア
椎間板の後方に神経孔があり、そこから殿部・下肢を支配する神経の神経根が出てきます。椎間板がヘルニアを起こすと、神経孔が狭くなり、神経根を圧迫します。ヘルニアの痛みは、神経根の圧迫と漏出した髄核の化学物質の炎症により引き起こされます。
図1-17は、椎間板の水平断面の図です。椎間板を囲む線維輪が断裂し、髄核が飛び出し、神経根を圧迫し、髄核の化学物質が神経根の炎症を起こします。
椎間板が破裂すると、椎間板ヘルニアを発症します。ヘルニアherniaの意味は、臓器の一部/構造物の一部が「脱出する」「突き出す」と言う意味です。椎間板ヘルニアでは、線維輪が断裂して中の髄核が突き出し、神経根を圧迫し、痺れを引き起こしたり、髄核の化学物質を「異物」として白血球が攻撃して神経根の炎症を引き起こし神経炎による激しい痛みが生じます。痛みの主な原因は、髄核による炎症です。
従来は、椎間板ヘルニアを起こすと、90%以上は、手術でヘルニアを切除していました。しかし、MRIの普及とともに放置しても白血球が脱出した髄核を貪食して圧迫が縮小することが明らかになり、神経根が圧迫され膀胱直腸麻痺を起こし、失禁を起こすような事例を除いては、手術しなくなりました(手術は10%以下)。
このように、治療の考え方も、ヘルニアを除去することから、髄核による神経根の炎症を抑える治療に代わってきています。
新経絡治療は、ヘルニアが残っていても、神経根の炎症部の血流を上げて、炎症物質を洗い流し、また滞留した生物電気を放電させて炎症による神経根の痛みを解消することができます。また、白血球による髄核の貪食を促進することができます。これが、新経絡治療がヘルニアを改善する仕組みです。
腰痛ヘルニアの治療例
32歳 男性、腰椎4番と5番の間の腰椎ヘルニア
- 主訴
- 左臀部の痛み、重み
- 経過
- 朝、職場で30kgの砂糖の袋を持ち上げる際に腰痛を発症。2つの病院を受診するも改善せず当院を受診した。コルセット装着している。左殿部の痛み・重みを訴える。検査により腰の4番と5番の間のヘルニアを認める。
- 治療経過
- 3回の新経絡治療で腰、殿部の痛み・重みは改善した。経過良好。
このように、症状によって違いますが、速やかに改善します。 - 指導
- 前屈姿勢の重量の持上げは、腰部負担が大きく腰痛の原因になります。これを避けるため、膝を曲げて、腰部の前屈を避け、膝の力を使用して持ち上げるように指導した。
また、腰の負担の軽減には、図1-21に示すような骨盤ベルトを使用します。ベルトは、図1-22に示すように腹圧を上げて、腹腔をラグビーボールにように固くして、上半身の負担を最大30%腹腔に逃がし、腰の負担を軽減します。重量物を繰り返し持ち上げるときは、図1-23に示すような動力で吊り上げるバランサーを使用します。
膝関節症
多くは、長時間の立ち作業、重量物扱い、膝屈曲位で膝の回旋を伴う作業などの作業負担や肥満やO脚などを誘因として膝の痛みや運動障害、膝に水が溜まるなどの症状をおこします。中年以降に徐々に発症することが多く、膝の内・外反変形、大腿四頭筋萎縮、可動域制限、関節裂隙の圧痛、関節水腫などを伴います。
新経絡治療は、変形を伴う難治症例にも効果があります。治療には、肥満がある場合は、糖質制限による減量と同時に、新経絡治療を行います。
膝関節症の治療症例
60歳の女性、病名 腰椎すべり症、右膝関節症
5年前より膝痛がある。これまで通院治療したが効果が無かった。介護のために車椅子を押すときに膝痛を強く感じるようになる。身長155cm、体重59.4kgと肥満がある。これまで10種類以上のダイエットを試みたが何れも失敗している。糖質制限で減量しながら、新経絡治療を行う。
- 治療経過
- 6回の新経絡治療で、階段が楽に下りられるようになる。13回の治療で、膝の痛みを忘れるようになる。歩行は問題なくなる。16回の治療で完治する。
表1-3は、糖質制限ダイエットの経過を示したものです。開始後10週間で、体重は、8.6kg、体脂肪率も8.9%減少しています。その後もリバウンドもなく本人も大変驚いている。この例は、骨・関節骨の変形がない肥満を伴う慢性の膝関節症の例ですが、糖質制限ダイエットは膝痛の症状の改善と再発予防に寄与し、新経絡治療と併用すれば極めて効果的です。表1-3.糖質制限による減量の経過 経過日数 体重(kg) 体脂肪(%) 初診時 59.4 33.6 14日 56.9 30.7 28日 54.7 29.0 42日 53.3 25.5 56日 52.7 26.4 70日 50.8 24.7